【ヒョウモンダコ】
いよいよ暖かくなってきましたね。磯場で子供たちと遊ぶ機会も増えてくる頃かと思います。磯場は、生き物の宝庫で、子供たちにとって様々なことを学べる環境がそこにはあります。
一方、楽しむこと共に、危険なものをしっかりと知っておくことが、より楽しく遊べる術となります。
その一つに【ヒョウモンダコ】があります。
ヒョウモンダコは唾液に強い神経毒をもち、噛まれると毒により呼吸困難や麻痺症状を引き起こす場合があり、海外では死亡事例もあります。
神奈川県のとある海岸にもよく見られるようになってきました。2009年ごろに九州北部で見られるようになりニュースにより警戒するよう報道されていたのを覚えています。
温暖化の影響でしょうか、ここ最近では神奈川県でもかなりの頻度で目撃されています。大きいもので10センチ程度のサイズで成体となります。磯場で遊ぶ際は十分に気を付けてください。
体色をすばやく変化させることができ、周囲の岩や海藻にカモフラージュしたり、外敵から刺激を受けると青い輪や線の模様のある明るい黄色に変化することができます。この模様がヒョウ柄を思わせることからこの和名がつきました。
捕食に際して強力な毒を持ち合わせたためか、吸盤は小さく力もありません。また「スミ」を蓄える墨汁嚢も退化し、泳ぎは不得意で、たいていは海底をゆっくり這っています。
一方、コウイカにはこの毒が効かないらしく、コウイカはヒョウモンダコを捕食することが知られています。
ヒョウモンダコの代表的な毒はテトロドトキシンですが、ヒョウモンダコの獲物である甲殻類には無害で効きません。唾液腺中に含まれるもうひとつの毒「ハパロトキシン」は、甲殻類を麻痺させる毒性をもちます。ヒョウモンダコはカニなどを捕らえる際に、この毒を海水中に放出することであらかじめ獲物の動きを奪い、捕食に伴うリスクを減らしていると考えられています。
手のひらサイズのかわいいタコです。思わず手に取ってみたくなる容姿ですが、決して触ることのないよう気を付けてくださいね。