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海やプールで溺れない津波がきたらどうする?

津波がきたらどうする?

津波を知ろう

津波がどの様な仕組みで発生するのか理解すると共に、津波から逃げるにはどうすればいいか?とにかく高台に避難し、一人一人の命を守って欲しい。

津波の伝わる速さと高さ

「地震=津波→避難」すぐに高いところに上がってください!

津波は、海が深いほど速く伝わる性質があり、沖合いではジェット機に匹敵する速さで伝わります。 逆に、水深が浅くなるほど速度が遅くなるため、津波が陸地に近づくにつれ後から来る波が前の津波に追いつき、波高が高くなります。水深が浅いところで遅くなるといっても、人が走って逃げ切れるものではありません。 津波から命を守るためには、津波が海岸にやってくるのを見てから避難を始めたのでは間に合わないのです。 海岸付近で地震の揺れを感じたら、または、津波警報が発表されたら、実際に津波が見えなくても、速やかに避難しましょう。(気象庁HPより)

津波に関する標識など

左上から順に広域避難場所、津波避難場所、避難場所(建物)、津波避難ビルのピクトグラム

津波注意(津波危険地帯)

普段から各地域の海抜を確かめよう

津波ハザードマップや津波標識は、津波発生時に浸水が予想される区域や避難場所を示すものです。日頃から、色々な場面を考えて、避難経路や避難場所を確認しておきましょう。また、津波注意報、注意報の分類には、大津波警報(5m、10、10m超)、津波警報(3m)、津波注意報(1m)があります。

津波が来た時のみなさんのとるべき対応

  1. 津波ハザードマップを入手、若しくは設置されている看板を確認する。
  2. 津波ハザードマップを基に、実際の避難経路を確認する。
  3. 津波警報・注意報を、Jアラート・防災無線・防災メール・ラジオ・テレビ・ライフセーバーからの放送からなど、正確な情報を入手する。

津波旗

国際信号旗のU旗

海浜利用者への津波伝達手段として津波旗が利用されることがあります。水辺からの避難誘導旗は2008年に国際規格ISO20712-2によって規定され、国際規格の安全色の赤を用いている。日本ライフセービング協会の加盟する国際団体、国際ライフセービング連盟(ILS)もこの規程を推奨している。国際信号旗のU旗は水辺の避難誘導に使われている。津波誘導時の旗として、外国人にも理解されやすく、光の角度によっても影響されづらい中性的な色は避けた避難誘導旗の周知を、日本ライフセービング協会は推進していきます。

津波フラッグについて(外部サイト) >>

“正しい恐れ”を!津波被害に備える

津波の威力

資料提供:東京新聞

地震大国、日本

『1mの津波に巻き込まれれればほぼ死亡』…ショッキングな分析が内閣府から出ています。島国であり地震大国でもある日本。いつ津波が起こるか分かりません。高さ1mと聞いて大した事ないように思われるでしょうか?普段の波(風が作る海水の表面=波浪)でイメージした場合はきっとそうです。ところが同じ海でも津波になると性質は全く別物となります。ふだんの波(波浪)が、水面付近だけのパワーで押してくるとするなら、津波とは「海水全体が塊で迫ってくるもの」を指し、30cmを超えたあたりから車を浮かし1mもあれば木造住宅に被害が出始めるほどのもの。大丈夫だと思ってしまいそうな、ヒザほどの波だとしても想像以上の威力を持つのが津波。

  • 30cm~50cmでは車やコンテナが浮き出す
  • 50cm~70cmでは健康な成人も流され出す
  • 70cm~100cmでは立っていることなどできない。

大きな漂流物にぶつかり死亡する確率は限りなく100%に近い。数十「メートル」では太刀打ちできないことは簡単に分かるものの、数十「センチ」でも注意報が出るのにはそもそも波とは性質が違うという理由があります。

後続の第2波以降にも注意

さらに津波の何が怖いかというと1度目の津波(=第1波・だいいっぱ)で済まず、後続する第2波以降にもっとも高くなり得ることです。巨大地震になると、長大な津波断層域のそれぞれ場所で発生した津波は、互いに重なりあい、更にそれらが海岸で反射しながら、各地域の海岸に何度も押し寄せる。第1波だけでなく、その後も、5、6時間から半日程度は繰り返し大きな津波が襲来する。内閣府 報道発表資料。寄せる「押し波」、破壊した家屋や車といった漂流物を海の中に巨大な力で引き込む「引き波」を繰り返し勢力を増しながら時に何tの岩や住居すら軽く持ち上げて流します。湾や崖など、方角や地形によっては水の行き場がなくなり「予想される波の高さ」から最大4倍ほどとなることも。東日本大震災では岩手県大船渡市・綾里湾で40.1mの遡上高が観測されました。

被災地からの教訓

津波てんでんこ

国際信号旗のU旗

この教えを守った岩手県釜石市の児童・生徒の99.8%が助かった話から、「釜石の奇跡」として広く知られるようになりました。てんでんことは方言で「各自」「それぞれ」といった意味。「津波がきたら各自で逃げなさい」ということになります。もっと詳細にいうと海岸付近で地震を感じたときは津波から身を守ることをまっ先に考え、誰の指示も待たず自分で判断し、家族にすら構わず、各自で一刻も早くできる限りの高台に逃げ自分で自分を守りなさいというものです。

  • 自分で危機を感じ取り行動する
  • 早く高台へ
  • 家族のことも構わない

指示も待たず、家族を構わないなんて、と思われるかもしれません。しかし先の大震災では、家族を想うあまりに海沿いに戻ったり、津波の専門家とはいえない学校や会社の指示を優先にしたことで被害に遭われた命は実際たくさんあり、その逆に「津波てんでんこ」で守られた命も多くあったのです。緊急時には、それぞれの状況の中でベストを尽くして身を守ること。大切な人とは、非常時にはお互いにまず自分の身を守る約束や、電話が繋がらないときの待ち合わせ場所などについて前もって話をしておくのもひとつです。

“津波が来た時に気を付けること

避難場所はどこか?

津波避難場所の標識

海沿いにいる場合はできる限り、事前に津波避難所を確認しておくことです。津波がきたら高台に逃げるよりほかありません。

一刻も早く近くの高台へ

海沿いで揺れを感じたらそれがわずかに思えても、大したことないなどと思わずすみやかに近くの高台へ→高台がない場所の場合はできる限り海から離れる場所へ→それも難しければ鉄筋コンクリートか鉄骨でできた建物の高い階を一刻も早く目指してください。

車には乗らない

徒歩が原則です。車に乗っている場合なら、渋滞に巻き込まれそうならキーを付けたまま路肩に駐車し、車から降りて徒歩で非難することです。心配なのは渋滞だけでなく、津波にのまれたら現在の車のほとんどは内側からパワーウィンドウが開かなくなります。水圧でドアが開かなくなります。窓ガラスを壊して外に出られますか?通常、対応はかなり難しいことでしょう。

避難時には海はもちろん、川にも近寄らない

一刻も早く海や川から離れることです。津波の起こった2016年11月22日、地震の影響か宮城県多賀城市を流れる砂押川の水が逆流する様子が撮影された映像があります。避難時、遡上(そじょう・流れをさかのぼること)するほどの勢いの水に近づくなど危険極まりなく、もってのほかです。

心構え

結局、頻繁に地震が起こる日本で最も怖いことは、多くの人が災害に慣れてしまっている面も少なからずあることです。「今度も大したことないだろう」などと注意もしないことがあるとしたら、実はそれが一番怖いところではないでしょうか。これまでは大丈夫だったという僅かな経験に照らし合わせることなく、疑うことをやめないこと。自然に「まさか」はないことを肝に銘じ、「その時」には最後まで諦めずに身を守りましょう。津波は、最初に引き波がくると思われていることもありますがこれは100%ではなく、引き波が起こらないでくる場合もあります。また日本の地震だけでなく海外の大地震の影響から来る津波の場合もあります。注意報、警報にも充分に注意しましょう。わずか数十「センチ」もあれば、いとも簡単に成人を流してしまう自然の威力を忘れずに…