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私とライフセービング

Vol.14 – 小山 大介 / Daisuke OYAMA

2020.12.21 (Mon)

私が小学生のころ、同じ小学校の児童がクラブ活動中に家の近くの親水公園で増水していた川に足を取られ犠牲となりました。そのほんの少し前に私はそのクラブの人達に「川が増水しているから入るのはやめたほうが良いよ」と子供ながら声を掛けていました。声がけをしていたにもかかわらず水難事故を防止することが出来ず、無力感と悔しさを感じたことを今でも覚えています。

その後、人の命を守る仕事につきたいと考えている中で高校1年生になったときに、地元のライフセービング団体の活動に参加することで、ライフセーバーとしての第一歩を始めました。社会人となり、郷土の消防職員として国民の生命・身体を守ることを生業にした頃、東日本大震災がおきました。海は全てをのみこんでいきました。私自身、海に入ることに恐怖心を感じ入れなくなってしまった時期がありました。しかし、大人である私が怖いと思うということは、子供たちは更に恐怖心を海に抱いていると気づき、自らの生命と愛する人を守れる能力を持った子供を育てることを目標に「気仙沼ライフセービングクラブ」を設立しました。

それから約10年、ライフセーバーが一般的ではない土地で無我夢中で活動を進めていく中でやっと、地域への根付きを感じることが多くなりました。ライフセービング活動において地域からの理解・支援は欠かすことのできない重要なポイントです。夏季の海だけに囚われず、小学校での授業や各種団体との連携事業、青色防犯パトロール活動など、1年を通した地域社会への貢献ということを考えて歩みを進めてきました。


ライフセーバーが特別な存在から、当たり前の存在になるまでにはまだ時間がかかると思われますが、携わる人間達がその人生のフェーズごとに自らの役割を出来る範囲で果たすことで必ずや、ライフセービング活動は未来へ繋げていける活動であると考えています。
「水辺の事故ゼロ」を実現するためには、ライフセービング活動に携わり実践活動を行うライフセーバーだけでなく、多くの方のご支援とご協力を賜ることが必要不可欠です。

小山 大介
Daisuke OYAMA

公益財団法人日本ライフセービング協会
防災対策室委員/インストラクター
宮城県ライフセービング協会副会長
気仙沼ライフセービングクラブ副代表
シーバード気仙沼副代表
2006年に宮城県気仙沼市でライフセービング活動を始める。

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水辺の事故ゼロへつながります

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