JLA English Site

私とライフセービング

Vol.20 – 細田和彦 / Kazuhiko HOSODA

2021.03.17 (Wed)

還暦ライフセーバーになって「60歳でライフセーバーの資格を取ろうとする人なんているのかな。」「果たして自分に出来るのかな。」
長い教員生活を終わろうとしていたある日、心の中に一つの挑戦心が生まれてきたのです。
「そうだ、退職後はライフセーバーになろう。」
もともと息子にライフセービングを勧めたのは私でした。息子は高校2年生で資格を取り、その後大学でクラブを立ち上げ、さらに社会人クラブも福井県で作り上げています。息子の活動を父として支援しながら、いつか一緒に活動できたら楽しいだろうなあと思いながらも、ライフセービングは私にとって大きな壁の向こうにある夢だったのです。
しかし、還暦を間近に控え、チャレンジしてみてもよいのではないか、資格を取れなくても何か得るものがあるかもしれない、やるだけはやってみようと、その時の自分にしてみれば悲痛な覚悟を決めたのでした。
もともと教員になるくらいですから困っている人のために働くことは苦にはなりません。問題は体力と泳力でした。4歳で左耳の手術を受けている私には水泳は苦手中の苦手な運動だったのです。毎日のランニング、筋トレ、プールでの水泳練習を重ね、BLS、WS講習会を受け、ベーシック・サーフライフセーバーの講習会に臨みました。
たまたまNHKのニュース番組に出演しておられる気象予報士の斉田季実治さんも資格を取りに来ておられ、バディを組み励まし合いながら講習を受けることができました。
資格取得の講習会では若い人に励まされながらラン、スイム、ランをやり遂げ、海で溺れるかと思いながらもレスキュー講習をなんとか最後までやり遂げることができました。合格証書を頂いた時は周りに人がいなければ号泣していたことでしょう。

以来、夏のガードを始めて4年が経過しました。若い人とのコミュニケーションギャップや経験差に悩むこともありますが、今ではずいぶん慣れてきました。
海で楽しむ皆さんの姿を見る度に、無事にお帰りいただくまでしっかりガードしようという気持ちを込めて活動に向き合っています。まだまだ緊張の日々です。
一人でも多くの方の命を守り、息子の子供つまり孫が成長し、
いつか親子3代でライフセービング活動をしたいなあというのがこれからの希望です。それまでトレーニングを継続し、ライフセービング活動に向き合っていきたいと思っています。

細田和彦
Kazuhiko HOSODA

ベーシック・サーフライフセーバー資格取得
柏崎ライフセービングクラブ所属
若狭和田ライフセービングクラブ所属

皆さまからのご支援が
水辺の事故ゼロへつながります

皆さまからのご寄付はWater Safety教育の普及事業などに活用します