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私とライフセービング

Vol.49 – 内藤 直樹/ Naoki NAITO

2023.12.18 (Mon)

ライフセーバーを始めたのは、ライフセーバーをしていた友達に「ライフセーバーやってみない?内藤は泳げるから興味を持つと思う。」と誘われたことがきっかけでした。はじめはライフセーバーのことを何も知らずに、海の安全管理をする人という程度の認識でした。一歩踏み出して海に行くと、ライフセーバー達が笑顔で迎え入れてくれました。優しくも厳しく、責任感のある彼らを見て、この海の安全管理をするうえで、命を守る活動というものを改めて実感しました。
自分もこの人たちみたいに命を守ることができるのだろうかと不安な気持ちもありましたが、周りのライフセーバー達の後押しのおかげで新たな世界に一歩踏み出すことができました。

いざパトロールをするにあたって、初めて袖を通した黄色Tシャツは、認定ライフセーバーの公式ユニフォームではありませんでしたが、とても重圧があり自分の中でプレッシャーでありました。そんな中まず担当したことが、遊泳客への海の地形の声掛けなどでした。水泳をしていた私で体力はあったもののビーチでの監視業務はとても暑く「あーきちぃなあ たいへんやなぁ」と思うことがあり、最初はやりがい、楽しさなどはまだ実感できていませんでした。

毎日朝練でレスキューのやり方や安全管理のノウハウなどを先輩方に教わり、スキルアップをしていきました。そんな中でも、年下だが、歴は先輩というライフセーバーの存在が、自分には大きく作用しました。彼らが作り上げた環境にふれて、自分にも何か他にもできることはないかと、どんどん考えて実行するきっかけになったと思います。何度か夏の監視業務に入っていくことにより、パトロールをさせてもらえるようになって、嬉しい反面、「もし人が溺れたらどうしよう」と不安な気持ちもありました。レスキュー方法などは教わったものの、まだ資格を取得しておらず、責任感というものもなく心の中では「誰も溺れないで」という気持ちでいっぱいでした。

そんななか初めてしたレスキューは、とても緊張しましたが「人の命を救うってこういうことなんだ」と今でも鮮明に覚えています。夏が終わりクラブの代表からベーシックサーフライフセーバーを受けてみるか?という提案があり、今後も人の役に立ちたい、海の安全管理をしたいという思いが強く、受講しますと伝えました。資格取得に向けてオフシーズンも仲間とトレーニングをした日々は今でも忘れず、とても充実していたなぁと実感しています。ベーシックサーフライフセーバーの資格を取得して、さらにモチベーションが上がり、そこからクラブのイベント、競技会、アドバンスライフセーバーの資格取得、小型船舶、講習会のサポート、学校でのBLSの普及、ジュニア活動など様々な体験を経験させてもらいました。

それから、ライフセーバーの認知度を上げるため、友人などに声掛けして、普及するところからスタートしました。知っている人もいれば、中には「ライフセーバーってなに?」という反応もあり、まだまだ認知度が低いことを実感しました。どんどん年数を重ねていき、ライフセーバーを知ってもらうためにイベントでの宣伝や子供向けのスクールなどを実施して、少しずつライフセーバーの認知を上げていきました。

スイミングスクールのコーチをしていることと子供が好きであるということから、クラブのジュニア委員に任命され、毎月二日間スクールを開催し、ライフセーバーの楽しさを知ってもらうように励んでいます。子供たちにライフセーバーの活動を伝えるのは非常に難しく、最初の方はとても頭を悩ませていましたが、同じメンバーのサポートや先輩からのアドバイスもあり、いまではとても楽しく活動ができています。現在の目標は、クラブの中から全日本選手権に出場させることです。

最後に、私の想いとして、年々遊泳客が減っていることに関して、ライフセーバーとして海の楽しさや海辺のイベントを発信していき海離れを改善し、さらに子供たちにも安全に遊べるビーチにしていきたいと思っています。理想のビーチを作る上で、今では昔のような安全管理に対する不安はなく、海辺の事故ゼロを実現させるのは自分達だと自信をもって言えます。人と人との出会いを大切にして全国のライフセーバー達が一丸となってライフセービングを盛り上げていきましょう。

内藤 直樹
Naoki NAITO

所属:大分市ライフセービングクラブ

好きな食べ物:から揚げ

サムネの写真:今回コラムを書くにあたって、ユニフォームを着た自分の写真が無かったので、今日わざわざ海まで行って撮影してきました。とても風が強く12月なので寒かったですが、頑張って撮影してきました。

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