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私とライフセービング

Vol.83 – 繁田 龍之介 / Ryunosuke HANDA

2025.10.28 (Tue)

ライフセービングを始めたきっかけ

幼少期から社会人1年目まで競泳をやっていましたが、小さい頃に抱いていた「日本代表になる」夢や「世界の舞台で戦いたい」という憧れが少しづつ自分から遠ざかっていく感覚がありました。
大学を卒業して仕事と競技の両立を志したけれど上手くいかず、どちらも中途半端になるくらいなら新しいキャリア(仕事)に早めに舵を切ろう。そんなことを思っていた矢先、大学水泳部のOBにあたる安藤秀さんに声をかけてもらったのがライフセービングとの出会いでした。
いざ練習に参加してみると普通に泳ぐ練習では頭一つ抜けて泳げましたが、機材を扱う練習が始まった途端に形勢は逆転、みるみるうちに置いて行かれました。長く競泳を続けていく中でなんとなく出来ることがほとんどになっていた僕にとって、同じ泳ぐルーツを持つスポーツでこんなにも通用しない感覚を味わったのは衝撃的で、今でも鮮明に覚えています。
それでも「ちゃんと練習すれば日本代表を目指せる」と言ってもらえたことが、競泳で叶わなかった夢にもう一度トライする原動力になりました。

活動の様子

1年目は資格取得に始まり、監視活動、競技では全日本選手権などライフセービング活動の様々な側面に触れる刺激的な時間が多かったです。
監視活動では山形の遊佐にある3つの海水浴場(西浜、釜磯、十里塚)でパトロールの基礎を学ばせてもらいました。遊佐町は秋田県との県境にあたりに位置しており、遠浅で穏やかなビーチが広がっています。また、海水浴場の目と鼻の先には鳥海山という日本百名山もあり、自然が豊かで人があたたかい町です。本業の兼ね合いもあり近年は日数が限られていますが、家族連れのお客さんで賑わう海水浴シーズンが楽しく終えられるように、少しでも監視活動に携わっていけたらと思います。

競技面では12期のHPTに選出され、目標としていた日本代表として2022/2024年の世界選手権と2025年のワールドゲームズに出場することができました。
競技転向して右も左も分からない自分を温かく迎え入れてくれた先輩や仲間たちには本当に感謝しているし、今でも尊敬してやまない存在です。
当初のゴールだった日本代表入りや日本記録の樹立、全日本での優勝など競泳時代には経験することが出来なかった景色が見れた一方で、世界の舞台で表彰台に登る仲間や国旗を背に君が代が流れる会場がより一層眩しく光って見えました。
現在は2026/2028年の世界選手権と2029年のワールドゲームズ出場、メダル獲得を目標としてトレーニングに励んでいます。

また、昨年度より日本体育大学荏原高等学校ライフセービング部のコーチとして次世代ライフセーバーの育成にも携わらせていただいております。現役だから伝えられること、経験したから教えられることを大切に、僕自身も日々学びながら指導の現場に立たせていただいてます。

いま思うこと

正直、始めた当初はこんなにのめり込むとは思っておらず、もっと言えば社会人2年目にはスーツを脱いで海辺に立っているなんて想像もしていませんでした。そんな自分が今ではライフセービング中心の生活を送っています。
関わり方や始めるきっかけ、それまでのバックボーンも様々だと思いますが、どんな形であれ飛び込んできた人に手を差し伸べてくれる。ライフセービングを通じて切磋琢磨し合える同志や支えてくださる沢山の方々と出会えたからこそ、自分なりにこの活動を発信し続けられたらと思います。

繁田 龍之介
Ryunosuke HANDA

九十九里ライフセービングクラブ所属
世界選手権 日本代表(2022、2024)
ワールドゲームズ 日本代表(2025)

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