ここでは1998年以降の加盟団体(クラブ)の登録について個人登録者数の推移とともに述べたいと思います。
まず、国内組織については1991年に任意団体として日本ライフセービング協会が設立(理事長・金子邦親)、翌年1992年には静岡県下田市で世界大会が開催されたことで注目され、ライフセービングに取り組む基盤として活動浜を軸とした「地域クラブ」と「大学クラブ」の組織化の流れが徐々に始まりました。1994年には国際ライフセービング連盟の設立にあわせて日本代表機関として加盟し、同時に日本ライフセービング協会は任意団体から法人格をもつ組織への改編の協議を続けていました。
1991年以降の加盟数は約30クラブを推移し、1998年は63クラブで個人メンバーは2,200人でした。その後、2001年にNPO法人(理事長・小峯力)の認証を受け、2002年から新たな団体及び個人会員制度がスタートし組織改編の大きな節目となりました。新制度が開始する直前の2001年時点では75クラブで4,071名の登録でした。それが、2002年の新制度開始の時点では78クラブで1,212名の登録となり、クラブ数は3つ増えましたが個人の登録数が2,859名の減少となりました。この減少の理由は個人登録にNPO法人としての年会費の負担が新たに必要となったことが考えられます。その後、会員制度と資格制度の一部見直しや会員賠償責任付帯制度を導入するなど付加価値を高めることで個人登録も増え、それにあわせてクラブ登録や活動浜(プール含む)も増加しています。
次に大きな節目となったのが、NPO法人からの2018年の一般財団法人、2019年の公益財団法人への組織改編です。この時、個人についてはこれまでの会員登録から資格登録となり、団体(クラブ)については地域クラブと学校クラブとに区分し、地域クラブは第1種と第2種に、学校クラブは教育機関クラブとして大学クラブは第3種と第4種、高校クラブは第5種と第6種に再編しました。そして、第1種と第2種は都道府県協会に加盟し、第3種から第6種まではJLA本部加盟としました。
このように加盟団体数や個人登録数の推移には法人格の組織改編が影響しており、その制度は国内のライフセービングの認知や普及、将来の展望をも見据えた設計であることが引き続き求められます。
■登録数(クラブ/個人)及び活動浜数(プール含む)の推移
年度 | クラブ登録数 | 個人登録者数 | 活動浜数 |
---|---|---|---|
1998 | 63 | 2,200 | 115 |
1999 | 69 | 3,246 | 124 |
2000 | 73 | 3,591 | 129 |
2001 | 75 | 4,071 | 134 |
2002 | 78 | 1,212 | 142 |
2003 | 93 | 1,193 | 164 |
2004 | 104 | 2,747 | 177 |
2005 | 113 | 2,709 | 184 |
2006 | 119 | 3,554 | 190 |
2007 | 132 | 3,841 | 201 |
2008 | 130 | 4,116 | 205 |
2009 | 125 | 4,161 | 212 |
2010 | 129 | 3,446 | 214 |
2011 | 128 | 3,856 | 196 |
2012 | 126 | 3,552 | 202 |
2013 | 130 | 3,328 | 195 |
2014 | 136 | 3,414 | 196 |
2015 | 136 | 3,878 | 197 |
2016 | 136 | 3,509 | 201 |
2017 | 139 | 3,650 | 199 |
2018 | 123 | 3,726 | 200 |
2019 | 153 | 3,454 | 198 |
2020 | 146 | 3,944 | 211 |
※2002年NPO法人化に伴い個人会員制度開始
※2018年より財団化に伴い資格登録制度開始
■2018年度、財団化以降の加盟クラブ数の内訳
種別 | 2021年度 (9月現在) |
2020年度 | 2019年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|---|
1種 | 46 | 42 | 40 | 38 |
2種 | 58 | 59 | 57 | 46 |
3種 | 35 | 34 | 40 | 34 |
4種 | 9 | 8 | 12 | 2 |
5種 | 3 | 3 | 3 | 3 |
6種 | 0 | 0 | 1 | 0 |
合計 | 149 | 146 | 153 | 123 |
寄稿:川地 政夫(かわち まさお)
1989年~日本体育大学ライフセービング部、神津島ライフセービングクラブ
大学で新しい活動を始めたいと思い学生寮の先輩に紹介され説明会に参加したことをきっかけにライフセービングを始める。現在のJLA事務局において協会全体の組織運営や各事業運営のサポートなど事業全般を担う。