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JLA 30th Anniversary

JLAアカデミー資格発行等の統計:佐藤洋二郎

2021.12.24 (Fri)

JLAアカデミーは2011年に設立され、アカデミーに準じた資格認定講習会は2012年4月からスタートしました。JLAの資格発行の軸となるベーシックサーフライフセーバー(ベーシック)資格、アドバンスサーフライフセーバー(アドバンス)資格の発行数は、2012年以前・以後で大きな変化はありません。一方で、アカデミーの設立に合わせ、ベーシック資格の受講条件となる資格の創設や、プールでの救助資格の改訂などが行われました。

特に、ベーシック資格の受講条件に導入したウォーターセーフティ資格(水辺の救助者である前に自らの命を守る)とBLS(一次救命処置)資格の存在によって、JLAは大きな転換期を迎えました。東日本大震災の影響もあり、自助(ウォーターセーフティ)と共助(BLS)の役割を果たすこれらの資格は、ライフセーバーを育成するだけではなく、国民に対し水辺の安全教育を実践できる公益性の高い団体へと進化した瞬間でもありました。

 

アカデミーの誕生により、年間の資格発行数は3倍近くまで増加しました。資格認定団体として資格発行数の増加は、対外的にも信頼を勝ち得る大きな財産といえます。一方で課題も明確です。ベーシック資格やアドバンス資格は多少の増減はありますが、ほぼ横ばいです。全国にある1100を超える海水浴場のうち、JLAが関与しているのは200箇所程度です。残りの900箇所を見守るためには、まだまだライフセーバーが不足しています。また、資格の更新率も上げなければなりません。2020年は、新型コロナウイルスの影響もあり、完全リモート対応による更新講習会を開催しました。中には海外からの参加や、お子さんを見守りながら参加されていた方もいましたが、これにより初めて1000名を超える更新者が誕生しました。更新講習の質を保つための対策を講じつつ、更新者が参加しやすい講習の形態を模索する必要があります。

資格発行統計グラフ

グラフからも分かるように、2020年は新型コロナウイルスの影響を大きく受けて、資格発行数が例年の半分まで減少しました。しかし、講習会の学科内容をe-Learning化するなどの進化により、2021年は、2019年と同様の資格発行見込みとなってきました。課題に向き合い、逆境をエネルギーに変えながら、更なる資格発行数の積み上げに力を注ぎたいと思います。

アカデミー資料(1).pdf

アカデミー資料(2).pdf

 

寄稿:佐藤 洋二郎(さとう ようじろう)

1999年~国際武道大学ライフセービング部、勝浦LSC

大学入学式直後、真っ黒な先輩たちに勧誘され、特に部活は決めていなかったので面白そうだと思ったことがきっかけでライフセービングをはじめる。波乗りに夢中になり、パトロールにやりがいを感じて、「愛する人を守れますか?」に心を動かされ、今に至る。

現在はJLAの事務局員として事務業務全般、そしてJLAアカデミー本部、教育本部を担当している。

 

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