創立三十周年にあたり、謹んでお祝いを申しあげます。
日本トライアスロン連合は、1981年に日本での初めてのトライアスロン大会である鳥取県皆生温泉の町おこしイベントの時から地域のライフセーバーにお世話になって来ました。印象的な関わりとして記憶にあるのは、1984年の西湘トライアスロンというライフセーバーの聖地の湘南での市民トライアスロン大会が地元ライフセーバーの皆さんの手によって開催されたことです。今も伝説の大会として、語り継がれており、もう一度開催したいとも考えています。
さらにその後1994年にトライアスロンの国内統一団体が設立され、ともに社会貢献活動として水辺の安全を一緒に唱えてまいりました。トライアスロンは、アジア競技大会を経て、2000年からオリンピック正式競技になり、2016年には、パラリンピック正式競技にもなりました。ここまで発展できたことは、40年以上前からライフセーバーの皆さんと歩んだ国内トライアスロンの黎明期があったからです。
日本ライフセービング協会は1991年から任意団体として設立活動し、2019年には公益財団法人として活動の幅を広げ、日本全国の水辺における安全を守るために、様々な活動において事故の未然防止を目指し「楽しみながら安全を考えて行動できる能力」を身につけるための教育活動を実践されてきました。こうした「水辺の事故ゼロ」に向けた取り組みへ貢献してきた功績を、共に海や水辺で活動する仲間として、改めて、心から讃えさせていただきます。
トライアスロン大会においても、各地域で開催される大会、イベントでのスイムパートにおいて、競技中の安全管理の重責を担って頂き、トライアスロン大会の安全な競技運営に大きく貢献して頂いています。更に2016年3月の日本トライアスロン連合とパートナーシップ協定を締結後は、日本国内で開催される国際大会、日本選手権、国体など主要大会でのスイムパートの運営でのサポート、競技中の安全管理に加わって頂く事で、安心で安全な競技を実施する事が出来ています。またライフセーバーの皆様と多く係わる事で、トライアスロンTechnical Official(審判員)、運営スタッフの安全に対しての意識にも変化が見られ、BLS(CPR+AED)コースの受講や、大会前の救護シミュレーションの実施など、積極的に取り組む姿勢に繋がっている事は、JLAスタッフ、ライフセーバーの皆様のお陰と心より感謝しております。
2019年以降は新型コロナウィルス感染症拡大の影響で大会の多くが中止、延期されました。その中でも開催された大会、イベントにおいては、コロナ感染対策を遂行しながらの厳しい環境、様々な制限下の中、多大なるご協力を頂き、コロナ禍での新しいスタイルでの大会開催に、お力添え、ご協力を頂いています。今後も取り巻く環境の変化、様々な出来事があるかと思いますが、時代の流れに沿ったご活動を期待するとともに、あわせて皆様のご健勝を祈念いたします。
寄稿:公益社団法人日本トライアスロン連合
専務理事 大塚眞一郎様
技術委員会委員長 伊藤一博様