JLAアカデミーの歴史は、JLAの歴史と言っても過言ではない。
日本のライフセービング講習会は、1985年にオーストラリアから来日したインストラクターによって開催されたWLS(World Life Saving)講習会からスタートした。1986年に足立正俊氏、豊田勝義氏、小峯力氏(3名ともJLAスーパーバイザー)が、第3回豪日交換プログラムによって渡豪し、イグザミナー資格を取得、日本人インストラクターによる講習会が開催できるようになった。その後、1991年に日本ライフセービング協会が設立され、技術局指導委員会、教育委員会、教育部講習運営委員会と変遷し講習会運営が行われてきた。
2012年には、上野真宏氏(JLAスーパーバイザー)が中心となり現在のJLAアカデミーが設立された。2018年より筆者がアカデミー本部担当となり、現在副本部長として、阿部健氏、江川陽介氏、佐藤洋二郎氏に支えて頂いている。JLAスーパーバイザーの中見隆男氏、山本利春氏、飯沼誠司氏をはじめ、多くの諸先輩方の貢献によって現在のJLAアカデミーがある。
JLAアカデミーは、BLS(Basic Life Support)を基本として、ウォータ―セーフティ、サーフライフセービング、プールライフガーディング、IRB(Inflatable Rescue Boat)、ジュニアエデュケーションの5つのコースがある。BLS、サーフ、プールに関してはILS(International Life Saving Federation)の国際準拠資格となっている。1986年に3人からスタートしたインストラクターは、2021年11月現在、400人を超えるまでになり、全国で活躍している。また2019年には、資格登録管理システムLIFESEVERSを導入し、講習会開催から費用支払い、合否通知、資格登録などが一元的に管理できるようになった。ちなみにシステム名であるLIFESEVERSは、全国のライフセーバーが集う場所という意味が込められている。
JLAアカデミーの未来であるが、国内唯一の国際準拠資格としてのJLA資格の質の担保を継続していく事に尽きる。最新の救助技術・知識を教本や講習会内容に常に取り込むことに加え、新規インストラクターの養成、既存インストラクターの質の維持・向上が必要となる。そして今後、公的資格化も見据えていく。またJLAアカデミーの講習会は、単に救助技術・知識のみを伝える場ではない。脈々と培われたライフセービングスピリッツを伝える場でもある。幸いな事に受講後のアンケートでは、多くの受講者が、インストラクターの熱意を感じたと回答して頂いている。
「人のために力を尽くす」
質の高い、熱い心を持ったインストラクターが伝え続けること。それが認定ライフセーバーが全国に配置され、
風間 隆宏(かざま たかひろ)
1994年~東海大学ライフセービングクラブLOCO、西浜サーフライフセービングクラブ、北海道ライフセービングクラブ(現北海道ライフセービング協会)
海が好きで海洋学部に入学し、海での活動がしたいと思い、様々な海関係のサークルを見に行ったが、LOCOの先輩方が一番カッコよく、輝いていると感じライフセービングをはじめる。現在はJLA常務理事、アカデミー本部長を兼務。