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JLA 30th Anniversary

主催競技会の沿革・全日本メダリスト一覧 統計:水川雅司

2022.03.22 (Tue)

ライフセービング競技は、スポーツを通してライフセービングの知識や技能を高めるとともに、フレンドシップを築きライフセービングを普及・発展させるために重要な役割を持っています。これまで日本国内では様々な競技会が行われてきました。

日本におけるライフセービング競技の始まりは、1975年に神奈川県鎌倉市材木座海岸で開催された第1回ライフガード大会であるとされています。当時の競技種目は、素手での救助方法を競い合うものやカッターレースなどが行われていました。その後、1987年第13回大会からインタークラブ・ライフセービング選手権と名称を改め、1989年からはインタークラブ選手権とは別に全日本選手権が開催され、1991年にはインタークラブ選手権を全日本選手権に併合し現在の全日本選手権に受け継がれています。

また、1986年から静岡県下田市白浜海岸でジャパン・サーフカーニバルが開催され2004年から全日本種目別選手権に名称を変更しています。

この大会から世界基準のオーシャン競技種目が多く導入されるようになりました。その背景には、バンクーバーで開催された世界大会であるRescue’86への参加や、当時オーストラリアとの間で行われていた豪日交換プログラムによるライフセーバーの人的交流が大きな影響を与えていました。

さらに、日本では地域クラブとともに多くの学校クラブ設立に伴い1986年神奈川県藤沢市辻堂海岸にて第1回全日本学生選手権が始まりました。1988年からは第1回全日本室内選手権が開催されるようになり2010年には第1回全日本学生プール競技選手権が行われました。2004年よりジュニア競技会が、2009年よりユース競技会が開催され、2019年よりジュニア/ユース/マスターズ選手権大会として、より幅広い世代の競技者が参加しています。2021年からSERC種目を独立開催し、より世界選手権に近しい形態での実施を目指しています。これらの競技会はJLA主催競技会として毎年開催され、現在の全日本選手権では約1、300名の選手が参加しています。

国際的な競技会としては、1990年に神奈川県平塚市で環太平洋ライフセービング選手権大会、1992年に静岡県下田市でライフセービング世界選手権(Rescue’92)が開催され、日本におけるライフセービングの普及に大きな影響を与えました。また、2001年にはワールドゲームズ(オリンピックで行われている以外の競技種目が行われるスポーツ・イベント)の第6回大会が秋田県で開催されました。2017年第10回ポーランド大会では男子障害物リレー(4×50 m)において世界新記録で優勝を果たすなど、日本のライフセービング競技の競技力は著しく向上しています。日本国内での国際競技会として『三洋物産 インターナショナル ライフセービングカップ』が2006年からほぼ毎年開催され、各国のナショナルチームが派遣されています。また、2019年度の全日本プール競技選手権大会に香港チームの、全日本種目別選手権大会に南アフリカチームの参戦があるなど、これまで国内向けであった競技会にも海外からの参加が相次いでいます。尚、全日本プール競技選手権大会は2018年開催からILS認定を取得しており、世界記録が認められる競技会となっています。

JLAが主体となって開催するものに限らず、各地域でもその広がりを見せています。1996年に始まった数箇所のビーチを転戦するサーキット形式で行うジャパン・ライフセービング・グランプリ(ジャパン・ライフセービング・スーパーシリーズ海救)や、1999年には神奈川県にてKANAGAWA OPEN SURF(現在の神奈川県ライフセービング選手権大会)が開催されるなど、都道府県単位での開催も多くなっています。

ライフセーバー自身が知識や技能を高めることはもちろん、ジュニアやユース世代、はたまたその親世代が楽しみながらライフセービングスポーツに取り組むことで、水辺に対する知識が深まり、結果として水辺の事故ゼロに繋がると信じています。大小関係なく、こうした競技の灯が各地から生まれることによってライフセービングスポーツからライフセービング活動を知り、この活動全体が普及していくことも期待が出来ます。ゆくゆくは全国各地において、世代ごとの競技会が行われ、その競技会を勝ち抜いたライフセーバーたちによる全世代の全日本選手権が開催されることを願ってやみません。「ライフセービングスポーツは楽しい!」をキーワードに、水辺の事故ゼロを目指す為の一つの手段として、これからもライフセービングスポーツは続いてゆきます。

全日本選手権メダリスト一覧

※参考

日本ライフセービング協会発行

コンペティション・ルールブック JLA 競技規則2021年版 第 1 章ILS と JLA

 

寄稿:水川 雅司(みずかわ まさし)

2002年~愛知ライフセービングクラブ、日本福祉大学ライフセービングクラブ

高校まで競泳を行っていたもののそれ以上の興味がなく、入学した大学にライフセービングサークルがあったことから新たなフィールドでチャレンジしようと思ったことがきっかけでこの活動を始める。

現在はJLA事務局員として主にライフセービングスポーツ本部の業務を担当。その他、JLA指導員として各種講習会指導にも携わっている。

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