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これからの都道府県協会の役割:細田直彦

2022.04.02 (Sat)

2019年に日本ライフセービング協会が公益財団法人へと組織改編され、同時に19の都道府県協会が設立されました。2020年に252021年には28の都道府県協会となり、年々増加しています。都道府県協会の設立によって、日本ライフセービング協会・都道府県協会・地域クラブ、それぞれが主で担う役割の明確化がなされました。

公益財団法人化に伴い、日本ライフセービング協会が主で担う役割、それはライフセービングの価値をさらに高めていくことです。日本ライフセービング協会は国の官公庁に対するライフセービングの普及と啓蒙活動、特に気象庁や消防庁、海上保安庁などの公的機関との連携強化に向けた取り組みを進めています。またe-lifesavingに代表される日本全国で使用可能なオンライン学習コンテンツの開発などを行っています。いわゆる縁の下の力持ち、ライフセービングの土台を広げる活動にシフトしつつあります。

では、都道府県協会が担う役割は何でしょうか。それは、都道府県レベルでの行政や公的救助機関との連携、管轄する地域加盟クラブの活動をサポート、各種講習会の開催に対する承認、など多岐に渡ります。昨今では都道府県協会独自の特色ある活動が始まっています。学校教育への普及、都道府県レベルでの実務担当などは、地の利を生かした都道府県協会あるいは地域クラブでの活動に軍配が上がります。福岡県協会では、県内全ての海水浴場に対して大規模調査を行い、ライフセーバー目線での独自の解釈を加えた海水浴場マップを作成しました。また沖縄県協会では、年間を通じてビーチに常駐する公務員としてライフガードの確立へ向けた活動を始めています。

このようにライフセービングの本旨である「水辺の事故を未然に防ぐ」という理念に則り、都道府県協会はその活動内容への自由度が高くなり、より柔軟な活動がしやすくなりました。しかしながら、運営に関する人的負担や費用負担も大きくなっています。都道府県協会のシステムが発足して2年が経ちます。まだまだ課題は多岐に渡るものの、都道府県協会が日本ライフセービング協会をもっと活用して、より心地よく活動をできるように推し進めてもらいたいです。都道府県協会を監視活動に置き換えると、パトロールキャプテンだと思っています。メンバー(地域加盟クラブ)と一緒に水辺の事故ゼロへ向けて、共に活動を続けて頂きたいです。

 

 寄稿:細田 直彦(ほそだ なおひこ)

1999年~ 福井県立大学LSC、柏崎LSC、若狭和田LSC

高校2年の夏、海水浴中に水難事故に遭遇し、知りあいのライフセーバーがいたことがきっかけでライフセービングをはじめる。

現在JLA理事、地域推進室(都道府県協会の円滑な運営のサポート)を担当。

 

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