JLA English Site

JLA 30th Anniversary

ジュニアライフセービングの魅力:石原早織

2022.04.06 (Wed)

『ジュニアの成長は、私の喜び』

沖縄サミットがあった2000年、19歳だった私は、初めて沖縄に降り立ちました。「沖縄でジュニアライフセービングを一緒にやらないか。」と座間 吉成さんにお声かけいただき、座間さん、豊田 勝義(JLA スーパーバイザー)さんの後ろを着いていったのを覚えています。その当時、ジュニアにやってくる子といえば、ビーチを管理しているホテル従業員の方々やご近所のお子さんでした。毎日、自転車で通ってくる子、ビーチを歩くたびに「あがっ!あがっ!(沖縄の方言 いたい!いたい!)」と言いながら海に向かって走る子、水に顔付けられない子、そんな子供達がどんどん「できる」を増やし、「自信」をつけていきました。初年度は参加者0人という日もよくありましたが、年々、増加していきました。片道35kmほどの距離をスポーツクラブの子供達と一緒に自転車で来てくれたのは、矢貫 卓博さん、明子さんのご夫妻でした。沖縄では至る所で自然の偉大さ、地元の方々の温かさを感じました。

『ジュニアでつながる ジュニアからつながる ご縁』

それから数年後、私は勤務していた小学校でジュニアライフセービングクラブ参加者の募集をしました。これも上司の理解があってのこと。そして、この時ジュニア活動に興味をもってくれた子供達は今でも家族ぐるみで付き合いが続いています。

静岡県牧之原市に居住し、9年が経ちました。つながりのない地で楽しみを見つけてくれたのも、ジュニアライフセービングでした。移住当初は、単発で静波LCとして静波海岸でジュニアライフセービングを実施しました。「年間を通してジュニアライフセービングをやりたい!」と強く想うようになりました。ある日、主人に相談。「始めたら、簡単には終われないよ。」と。岡澤 悟一さん(静波LC)に相談を持ち掛けたところ、「いいんじゃない!やってみれば!相談にのるよ!」と。高野 絵美さん(静波LC)は「応援してるよ!」と。三人の言葉は私の背中を押してくれました。これが「静波LC まきっず(ジュニアライフセービング)」のはじまりでした。当初、クラブのOB、OGのお子さん2,3人の参加でした。数年が経ったころ、ジュニア会員は一時、15人に。クラブ内に「まきっず」が浸透していきました。

関東のようにライフセービングが浸透している地域ではないため、ライフセービングだけに特化でせず、水辺を通した自然体験を中心に活動を行っています。その一環として、海と森のつながりを学ぶために「ツリークライミング」をしたり、地元自然写真家の方に昔と今の静波海岸の話を聞いたり、地域の消防署へ伺って、防災や救命について学んだり、防災教育の一環として、「公衆電話の使い方」を体験したりもしました。今年、7年目を迎え、会員数は7人と多くはありませんが、卒業しても海で声を掛けてくれる子、海が大好きな地元の子、遠くからでも楽しみに来てくれる子、この子達と「楽しい」、「できる」、「わかる」を共有することがいつからか私の楽しみとなり、喜びになっていきました。

 

『ジュニアからシニアまで活動できるライフセービングを目指す』

娘「お母さん、いつまで『まきっず』をやるの。」

私「う~ん、よぼよぼのおばあちゃんになるまで! できるかな・・・」

娘「大丈夫だよ!大きくなったら、私とDくん(まきっずメンバー)と『まきっず』やるから!だから、ちゃんとやったこと残しておいてね!」

ある日、上の娘とこんな会話をしたのを覚えています。

この時、家族と「楽しい」を共有できていることを嬉しく感じました。その反面、大きな責任も感じました。

「ジュニアからシニアまで活動できるライフセービングを目指し、システムをつくる。」

その一歩がJLA 組織の方々、ジュニアエデュケーション委員会の皆で考案した「ジュニアライフセービング バッジテスト」です。リーダー資格以上をもった指導者がバッジテストの内容を指導でき、ジュニアライフセービングインストラクター資格を取得した方は、バッジテストの内容の指導、級認定ができます。級別指導項目にはもちろん、「ライフセービングスピリット」や「防災教育」も入っています。決して、画一的な指導をするわけではなく、地域性を活かし、子供達が主体的に「自分の身は自分で守る」ための知識やスキルを高めていくことがバッジテストの最大の目的です。今後は、アカデミーはもちろんのこと、スポーツやコーチングとも連携し、さらにブラッシュアップを目指しています。

 

引き続き、ジュニアで関わった子供達、シニアが集える場所づくりを目指し、私たちらしくジュニアライフセービングに関わり、ライフセービングを永く続けていきたいと考えています。

 

寄稿:石原 早織(いしはら さおり)

1997年~静波ライフセービングクラブ

高校2年の時に出逢った素敵な教育実習生から、「強くなればなるほど、人に優しくできる」というライフセービングスピリッツを学んだことがきっかけでライフセービングをはじめる。

現在はJLA ACADEMY ジュニアエデュケーション委員会 委員長、学校教育本部 地域教育推進委員会 委員を務める。

皆さまからのご支援が
水辺の事故ゼロへつながります

皆さまからのご寄付はWater Safety教育の普及事業などに活用します