当協会は、平成9年(1997)9月、日本ライフセービング協会(JLA)における初の都道府県支部となる「日本ライフセービング協会神奈川県支部」として設立、初代支部長として相澤重男氏が就任し、県内14地域クラブ・4大学クラブとともに歩みを始めました。
おりしも同年、神奈川県では、鵠沼海岸に海浜を訪れる人々のための公共総合施設「サーフビレッジ」が開所され、私たちの念願であったライフセービングの拠点となる施設が誕生、平成10年「かながわ・ゆめ国体」ではコアイベントに参加し、ライフセービングを一般の方に知っていただく機会となりました。また、当時、日本におけるライフセービング競技会は3大会しかなく、支部として競技力向上に寄与することを目的として「第1回KANAGAWA OPEN SURF」を平成11年(1999)6月藤沢市片瀬西浜海岸にて10種目213名の選手にて開催、以後県内を転戦し開催してきました。プール競技会は、「第1回神奈川県ライフセービング室内選手権大会(プール)」を平成15年(2003)11月玉川学園プールにて開催、一般135名・ジュニア11名の選手が参加しました。
支部事業をさらに進めるため、平成13年(2001)4月、神奈川県の認証を受け、「特定非営利活動法人神奈川県ライフセービング連盟」として法人格を取得、初代理事長として相澤支部長が就任、平成15年(2003)、第2代理事長として、加藤道夫氏が就任しました。平成21年(2009)NPO法人神奈川ライフセービング協会(理事長・朽木 聡 氏)との事業統合に伴い、「ゴールドコースト友好海岸プログラム」事業を継承以来、ゴールドコースト市ライフガードの訪日受け入れや、県内のライフセーバーを同市に派遣するなどの国際交流事業も進めています。
夏季には、県下に多くの海水浴場が設置され、県下のクラブのメンバーがパトロール活動に従事しますが、その雇用形態や待遇はそれぞれに異なり、多くの場合、改善が望まれているのが現状であります。受託業務としての在り方や取り組み方は、当協会でも長年の課題となっています。そのような中、平成22年(2010)に、県下クラブ間のネットワーク強化と諸問題の解決を目的とした、「パトロールネットワーク」を立ち上げ、定期的に意見交換や勉強会、報告会等の機会を設けています。また、平成23年(2011)「東日本大震災」では、海(自然)の脅威を痛感し、私たちがどう付き合っていくべきか、改めて考える機会となりました。海の安全を担う私たちだからこそ、「Respect Ocean Kanagawa」という思いを共有し発信していくことが必要であると考え、象徴するロゴマークを作成、多くの方に知っていただき、県内ライフセーバーのつながりを深める機会となりました。ロゴには同じ海でつながる東北のライフセービングを支援する思いも込められており、ロゴステッカーを作成し販売、売り上げを寄付させていただきました。
平成27年(2015)第3代理事長として土志田仁氏が就任し、平成30年(2018)7月、日本ライフセービング協会組織改編に伴い団体名称を「神奈川県ライフセービング協会」に改称、現在に至っています。令和2年(2020)の夏は、思いもよらぬ新型コロナ感染症の感染拡大の影響を受け、県下の海水浴場の様子が一変しました。いつもの夏とは違い海水浴場が開設されなくとも、ビーチを訪れる人々の安全をどう守ることができるのか。急遽、神奈川県とJLAが海岸水難事故防止活動の実施に関して締結した包括協定「かながわプロジェクト」が実践されることとなり、県下クラブの協力を得て、ライフセービングと、海岸を管理する神奈川県がタッグを組み、県協会の統括のもと、感染防止対策に万全を期しながらパトロール活動が展開されました。このプロジェクトは、感染状況による現場の変化も反映しつつ、令和3年(2021)も実施されました。
当協会は、令和4年(2022)神奈川県支部設立から25年を迎えます。今後とも、日本ライフセービング協会との協調に基づき、神奈川県・行政・加盟クラブと連携を図り、『安全で快適な水辺のある豊かな社会生活の創造』に寄与すべく、水辺の安全思想の普及、ライフセーバーの育成・地位向上、青少年の育成などの活動に取り組んで参ります。
神奈川県ライフセービング協会加盟クラブ(18クラブ)2021年12月現在
横浜海の公園LSC 三浦海岸SLSC 葉山LSC 逗子SLSC 鎌倉LG SURF90鎌倉LSC 西浜SLSC サーフ90藤沢LSC 辻堂LC サーフ90茅ヶ崎LSC 茅ヶ崎SLSC 湘南ひらつかLSC 大磯LSC 湯河原LSC 東海大学湘南校舎体育会LSC 湘南ウォーターセーフティ協会
湘南GoldenAgeアカデミー 由比ガ浜サーフ&スポーツ
神奈川県ライフセービング協会主催競技会
- 神奈川県ライフセービング選手権大会
- 神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング競技会
- 神奈川県ライフセービング・プール競技選手権大会
- 神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技
メンバーとして参画している諸委員会
- 藤沢市海岸(海辺)地域人命救助活動実施機関連絡協議会(平成22年より)
- 神奈川県教育委員会・企業等連携協議会かながわドリームアシストコミュニティ(平成23年より)
- 神奈川県海水浴場対策連絡協議会(平成26年より)
- 藤沢市夏季海岸対策協議会(平成28年より)
藤沢市 海・浜のルール委員会(平成30年より)
E-mail: info@lifesaving.ne.jp
寄稿:和田 朋也(わだ ともや)
1992年~東海大学湘南校舎体育会ライフセービングクラブ、二宮ライフセービングクラブ、辻堂ライフセービングクラブ
大学時代、ライフセービングと出会い、新しいことに挑戦したい、という思いからライフセービングを始める。
1997年から日本ライフセービング協会神奈川県支部設立と同時に事務局員として奉職、現在は、特定非営利活動法人神奈川県ライフセービング協会・事務局長を務める。