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私とライフセービング

Vol.43 – 北矢宗志 Motoshi KITAYA

2022.02.18 (Fri)

ドラマ「スクールウォーズ」を見てラグビーをやろうと、更に体育教師を目指そうと思った中学時代。
教師は大っ嫌いでしたが「スクールウォーズ」の滝沢賢治先生(山口良治先生)に憧れました。体育教師になるためには、、、そうだ日体大だ。と単純な思考。
だから日本一、日本体育大学に卒業生を輩出している高校に入学し、迷うことなくラグビー部に入部しました。花園は果てしなく遠かったのですが、無事に日体大に進学することができました。大学でもラグビー部に入部するために体験を済ましたところで、高校の友人から誘われたライフセービング部の部活動説明会に付き合いました。

高校時代の海浜実習や親戚がライフセービングをやっていたので知識を持っていましたが、その説明会でライフセービング界ではお馴染みの言葉「鍛えれば鍛えるほど人に安心感を与え、強くなればなるほど優しくなれる」「あなたは愛する人を救えますか」に出合います。この言葉を自信を持って話す先輩方は衝撃的に格好良く「これしかない。」と即断しました。大学4年間は新島で救助活動に従事しました。3年間無事故で救助活動を終えて4年生次、初めて死亡事故を経験しました。力を尽くしても及ばなかった無力感の中、役場の方の温かい言葉や遺族の言葉が20年以上経った今も脳裏に焼き付いています。このまま辞めてはいけない。この「不完全燃焼感」が今も海に立つ原動力となっています。

卒業後、夢を叶えて教師となり、私立高校を経て母校である日本体育大学荏原高等学校に赴任。母校の刺激的な後輩たちと向き合っています。時に危なっかしい生徒に成功体験と効果的な失敗体験をさせる絶妙なさじ加減はライフセービングで学んだバランス感覚。赴任1年でライフセービングサークルを立ち上げ、部員たちの努力もあり、1年で部に昇格しました。部活動の価値が見直されている今日、ネガティブな意見も散見していますが、この道で育った自分としては部活動の教育的価値に計り知れない可能性を感じています。勿論、現代風にアレンジした導きは必須で我々が学んだ指導法のままでは、あっという間に時代に取り残されてしまいます。だから先進的な部活運営が必要不可欠。これを考えるのが楽しいのです。テーマは「楽しくなければ部活じゃない。」【ライフセービング=楽しい】は少し語弊がありますが高校生(ユース世代)にはそれで丁度いいと思っています。レスキューのシビアな経験も重要ですが自然を楽しむスキルとスポーツを楽しむスキル、そして仲間を大切にする心と生命を大切にする気持ちを磨くために「では何が必要か」その中で「ライフセーバーとしてどうあるべきか」を日々問いかけています。その結果、部活動の枠組みを飛び越え、学校組織の中での貢献、地域社会への社会貢献活動にライフセービングはたどり着きます。そして高校生であっても「鍛えれば鍛えるほど人に安心感を与え、強くなればなるほど優しくなれる」を荏原高校の部員は証明し続けてくれています。嬉しいことです。

ユース日本代表監督を拝命し、その思いは更に深くなっています。現在、ユース世代の驚くべき成長がライフセービング界を駆け巡っています。本当に喜ばしいことであり、心強い限りです。だから私はライフセービング界の未来は明るいと断言します。この世代が輝く土壌を作り、種を蒔き、水をやり、花を咲かせるこれが「私と(の)ライフセービング」です。真っ直ぐに鍛え、期待し、夢を託し、誰からも愛されるユース世代、ユース日本代表を育てていきたいと思います。その為に私は海に立ち続けます。


ライフセービングスポーツの厳しさ

ライフセービングスポーツの楽しさ

大学4年生次全日本選手権ビーチリレー新島、鴨川、飯岡(日体大浜)の1.2.3表彰台エッサッサ

日本体育大学荏原高等学校ライフセービング部

全日本ユースライフセービング選手権大会2021チーム総合優勝

北矢宗志
Motoshi KITAYA

公益財団法人日本ライフセービング協会

中学高校委員/スポーツ育成員/選手選考委員/ユース日本代表監督

JLA指導員(WSI/BLSI/SI/PI)

JLA LIFESAVING AWARD2020 ライフセーバーオブザイヤー教育賞

日本体育大学ライフセービング部OB(15期)

西浜サーフライフセービングクラブ所属

日本体育大学荏原高等学校ライフセービング部監督

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