ライフセービングを始めたきっかけ
私がライフセービングを始めたきっかけは、両親の影響でした。
両親は学生時代にライフセービング活動に取り組んでおり、その姿を間近で見て育った私は、小学1年生のときに西浜サーフライフセービングクラブに入会し、この活動を始めました。
当初は運動が得意ではなく、海で泳ぐことにも苦手意識があり、ライフセービングに対して前向きな気持ちはほとんどありませんでした。
西浜SLSCが実施する月2回の定期プログラムにも消極的で、毎回両親に促されながら何とか参加していたのを覚えています。
しかし、活動を続ける中で、憧れの先輩方と出会いや一生一緒にいる仲間との出会いが転機となりました。そこから、少しずつライフセービングに対する気持ちが変化していきました。

ジュニア期の経験
ライフセービングを始めた当初、私は海で泳ぐことすら困難で、活動に対して苦手意識が強くありました。練習に参加するのも消極的で、大会にも半ば義務感で出場していた時期が続きました。
泳ぐことがあまりに苦手で、ランスイムランでは平泳ぎや犬かきで完泳したこともありました(この時は、母に叱られた記憶、、、)
そんな私の意識が変わったのは、小学3年生の全日本ジュニア大会で初めてメダルを獲得したときでした。「もう少し続けてみよう」と思えるようになり、ライフセービングを前向きに捉えるようになりました。
また、当時はどれだけ練習してもなかなか勝てない同期の存在が大きな刺激となり、彼女らと切磋琢磨する中でライフセービングの楽しさを感じるようになりました。今ではその同期たちがかけがえのない仲間となっています。
その後、練習を通して先輩方と交流を深め、ライフセービングの魅力に引き込まれていきました。特に、小学6年時には「全日本ジュニア大会でニッパーボードレースに優勝する」という目標を掲げ、その目標に向かって日々努力を重ねました。そして目標を達成できたことで、自ら課題を設定し、努力を積み重ねることの大切さを実感しました。

ユース期の挑戦
中学校進学後、周囲の多くの友人たちは部活動に取り組む中、私は課外活動としてライフセービングを継続する道を選びました。
女子の同期は中学校進学と同時にクラブを離れていき、ユースチームでは私一人となってしまいましたが、ジュニア時代から共に歩んできた仲間たちとともに活動を続けることができました。
「海の父」である岳瑠先生(ユースのコーチ)のもと、寒い冬の日も毎日のように海に入り、地道にトレーニングを続けました。中学1年時には、同期全員で東日本予選を突破し、全日本選手権に出場しました。その記録は今でも語り継がれるような思い出となりました。
しかしその直後、コロナ禍により活動が制限され、西浜ユースチームも勢いを失い、人が減り、存続が危ぶまれる状態となりました。
コロナも少しずつ終息し活動再開の兆しが見えた頃、私はユースチームのキャプテンを任され、仲間とともに再建に取り組みました。チームのあり方を日々考え、試行錯誤を重ねた高校3年間は、私にとって大きな成長の時間となりました。
この期間に築かれた同期との絆は、今でも変わらぬ大切な財産です。

大学生としての現在
昨年、私は慶應義塾大学に進学し、西浜の先輩である上野凌さんが創設した「慶應義塾大学ライフセービングクラブ(MARE)」に所属することになりました。
MAREには、全国大会で優勝経験を持つ選手や、多様な分野で活躍する意欲的な仲間が数多く在籍しており、非常に刺激的な環境の中で活動しています。
また、西浜SLSCでは、学生ライフセーバーとして初めて監視活動にも参加するようになり、ライフセービングを始めて13年目となる今、その本質的な意義や魅力をより深く実感しています。
さらに今年からは、ユースチームのインストラクターとしても活動することとなり、これまで学んできたことを次世代に還元していく立場となりました。
この活動を通じて、ライフセービングの楽しさを感じてくれる人が一人でも増えてくれたらと思っています。

西浜SLSCが大切にしている「繋ぐ」という言葉。
人と人を繋ぐ、そして人の想いを繋ぐ。
私がここまでライフセービングを続けてこられたのは、まさにそうした想いを繋いでくれた仲間たちの存在があったからです。
ライフセービングには終わりがなく、自らの限界を更新し続けることができる点や、自然との調和の中に楽しさを見出せることが、この活動を継続する大きな原動力となっています。
今後もこの想いを胸に、次の世代へとバトンを繋いでいきたいと思います。

西浜サーフライフセービングクラブ 所属
慶應義塾大学公認団体ライフセービングクラブ 所属
湘南工科大学附属高等学校 ニュースポーツ出身
慶應義塾大学総合政策学部 在籍
HPT B(エリート)所属
LWC2022 日本代表ユース女子キャプテン
茅ヶ崎市スポーツアンバサダー