ライフセービングとの出会い
熊本県南阿蘇村で生まれ育った私は、父の影響でサーフィンを始めました。中学生まで南阿蘇で過ごし、もっとサーフィンができる環境を求めて宮崎県の高校に進学しました。プロサーファーになりたくて大学でもサーフィンを続けると決め、中学生の頃から志していた「救急救命士になりたい」というもう一つの夢も叶えるために、救急救命士の資格がとれ、海が近くてサーフィンができる環境がある宮崎県延岡市の九州医療科学大学に入学しました。そしてその大学の授業の一環で、ベーシックライフセーバーを取得したことがライフセービングとの出会いです。
資格を取得した救急救命コースのメンバーでライフセービングサークルをたちあげ、夏の監視業務を中心に活動しています。活動を始めて今年で二年目というまだまだ経験が浅い私たちですが、将来的にはライフセービング競技にも取り組んでいきたいと考えています。昨年は、夏の監視業務に加え、トライアスロン大会などのイベントでライフセーバーとして参加させていただくことが多かった一年でした。初めてのことばかりで何もかもが新鮮で、改めて、命を守るために何をすればいいのか様々な視点から学ぶことができました。
サーフィンを十年以上続けているので、海の変化や地形、潮の流れなど、自然と読めるようになりました。このことはライフセービングの現場で大きな強みになると思っていて、日頃から海と向き合ってきたからこそ身に付いた感覚を武器に、活動に励んでいます。
自分を変えた出来事
高校生の時、サーフィン中に水難事故に遭遇したことがあります。突然で初めての出来事に驚き、ただその場に立ち尽くすことしかできませんでした。なにもできない自分の無力さと悔しさは今でもずっと忘れません。同時に、「もしまた同じような場面に出会ったら、動ける自分でいたい」と強く思いました。
それが、ライフセービングに惹かれる理由の一つかもしれません。
そしてライフセーバーの資格を取得したあと、再びサーフィン中に水難事故に遭遇しました。あの時と同じような緊迫した空気でしたが、驚きや恐怖よりも先に体が自然と動きました。周囲と連携を取りながら、一次救命処置に携わることができたのです。
数年前は何もできなかった自分、その経験があったからこそ今の自分がいるのだと感じました。
海は、楽しさと同時に責任も教えてくれる場所です。サーフィンを通して自然と向き合い、ライフセービングを通して命と向き合う。その両方が自分を成長させてくれています。
人の役に立つことにやりがいを感じる私にとって、ライフセービングとは「行動で誰かの安心を支えること」です。サーフィンを通して海に惹かれ、海の楽しさだけではなく危険性も知ってきたからこそ、その知識や経験を誰かのために活かしたいと強く思うようになりました。見守るだけではなく、自ら判断し行動するライフセーバーの活動は、責任の重さと同時に大きなやりがいを感じます。サーフィンで培ったパドル力や海を読む力をいかして、海で起こり得る危険にも向き合い、必要な時に迷わず動ける自分でありたいと思っています。
あの日の悔しさを原動力に、これからも学び続け、誰かの力になれる存在であり続けたいです。
九州医療科学大学在学
春季全日本学生サーフィン選手権大会 準優勝(2025)
秋季全日本学生サーフィン選手権大会 優勝(2025)














