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熱中症に気をつけましょう

ジュニアライフセービング

熱中症に気をつけましょう

日本の平均気温は、1898年以降、100年あたりおよそ1.1℃の割合で上昇しています。特に、1990年代以降、高温となる年が頻繁にあらわれています。日本の気温上昇が世界の平均に比べて大きいのは、日本が地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい北半球の中緯度に位置しているためと考えられています。気温の上昇にともなって、熱帯夜(夜間最低気温25℃以上)や猛暑日(1日の最高気温が35℃以上)が増え、冬日(1日の最低気温が0℃未満の日)は少なくなっています。
このような気候変化のなか,海水浴場では熱中症の傷病者数が増加傾向です。[参考;気象庁HP]

熱中症が起こりやすい条件と場所

  • • 気温が高い日
  • • 暑くなり始め
  • • 湿度が高い日
  • • 風が弱い日
  • • 日差しが強い日
  • • 熱帯夜の翌日 • 照り返しが強い場所
  • • 熱いものがそばにある場所
  • • 急に暑くなった日
  • • 海浜では,幼児,乳児は日陰でも長時間いると熱中症になりやすい.
  • • 海の家のシャワー室
  • • 飲酒後のパラソルの下
  • • テントの中

7月の晴天の日に海水浴場で暑さ指数(WBGT) を測定したところ、テントの中が最も高く、また。夕方まで熱中症の危険レベル以上でした。 テントの中が熱中症になりやすいのは、気温だけでなく、湿度が高いことが理由です。

参考:森 奏子,海辺における紫外線強度とWBGT値の特徴と健康被害への予防策に関する研究,中央大学,2024

熱中症の症状

熱中症は、高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称です。以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。

症状1:めまいや顔のほてり,意識低下など

めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状が出たら、熱中症のサインです。一時的に意識が遠のいたり、腹痛などの症状が出る場合もあります。

症状2:筋肉痛や筋肉のけいれん

「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつるなどの症状が出る場合があります。筋肉がピクピクとけいれんしたり、硬くなることもあります。

症状3:体のだるさや吐き気

体がぐったりし、力が入らない。吐き気やおう吐、頭痛などを伴う場合もあります。

症状4:汗のかきかたがおかしい

ふいてもふいても汗がでる、もしくはまったく汗をかいていないなど、汗のかきかたに異常がある場合には、熱中症にかかっている危険性があります。

症状5:体温が高い、皮ふの異常

体温が高くて皮ふを触るととても熱い、皮ふが赤く乾いているなどの症状も熱中症のサインです。

症状6:呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない

声をかけても反応しなかったり、おかしな返答をする。または、体がガクガクとひきつけを起こしたり、まっすぐ歩けないなどの異常があるときは、重度の熱中症にかかっています。直ちに救急車を呼びましょう。

症状7:意識障害により水分補給ができない

声をかけても反応しない、自分で上手に水分補給ができない場合は大変危険な状態です(むりやり水分を口から飲ませることはやめましょう)。直ちに救急車を呼びましょう。

このような症状が出ないよう、日頃から熱中症の予防・対策を知っておくことが大切です。

応急処置のポイント

ポイント1:涼しい場所へ移動する

まずはクーラーが効いた室内や車内に移動しましょう。屋外で、近くにそのような場所がない場合には、風通りのよい日かげに移動し安静にしましょう。

ポイント2:衣服を脱がし、体を冷やして体温を下げる

衣服をゆるめて、体の熱を放出しましょう。氷枕や保冷剤で両側の首筋やわき、足の付け根などを冷やします。皮ふに水をかけて、うちわや扇子などであおぐことでも体を冷やすことができます。うちわなどがない場合はタオルや厚紙などであおいで、風を起こしましょう。

ポイント3:塩分や水分を補給する

食塩水などで水分と塩分を補給しましょう。おう吐の症状が出ていたり意識がない場合は、誤つて水分が気道に入る危険性があるので、むりやり水分を飲ませることはやめましょう。

救急車を待っているあいだにも、応急処置をすることで症状の悪化を防ぐことができます。熱中症は命に関わる危険な症状です。甘く判断してはいけません。

水分補給が熱中症の悪化につながることも

水分補給はしていたはずなのに熱中症になったり、水分補給が逆に症状を悪化させたりすることもある?

高温多湿の屋内外で30分を超える長時間の労働やスポーツなどにより汗を大量にかくと、体内の水分とともに塩分やミネラルも奪われてしまいます。そこに水分補給だけを行うと、血液中の塩分・ミネラル濃度(体内における塩分やミネラルの割合)が低くなり、様々な熱中症の症状が出現します。
つまり、水分だけを補給することがかえって、熱中症の発症へとつながったり、悪化させたりすることもあるのです。

熱中症時の水分と塩分の補給の方法とは

熱中症が疑われるときは、ただ水分を補給するのではなく、塩分も一緒に補給することが重要です。自分で手軽に作れる食塩水もよいでしょう。

目安として、1ℓの水に対して1~2gの食塩を加えます。さらに、長時間のスポーツなどで失われた糖分を補い、エネルギーを補給するために砂糖などを加えると、水分や塩分の吸収が良くなる上に、疲労回復にもつながるのでより効果的です。

熱中症の予防・対策

熱中症を予防するためには、暑さに負けない体作りが大切です。気温が上がり始める初夏から、日常的に適度な運動をおこない、適切な食事、十分な睡眠をとるようにしましょう。

ポイント1:水分をこまめにとる

のどが渇いたなと感じる前に、こまめに水分補給に心がけましょう。スポーツドリンクなどは水分だけでなく塩分やその他、体に必要な糖やミネラルを含んでいるので体への吸収がバランスよいとされています。

熱中症を予防するためには、暑さに負けない体作りが大切です。気温が上がり始める初夏から、日常的に適度な運動をおこない、適切な食事、十分な睡眠をとるようにしましょう。

ポイント2:塩分を程よく摂取する

塩分の取りすぎは身体によくありませんが、日々の食事を通して適切量の塩分を摂取しましょう。たくさん汗をかくと、水分と同時に塩分も身体から失われます。ただし、医師などから水分・塩分の摂取制限を指示されている方は、その医師の指示に従いましょう。

ポイント3:睡眠環境を快適にする

通気性や吸水性の良い寝具を使い、エアコンや扇風機などを使い睡眠環境を快適に整え、上質な睡眠を心がけましょう。そのことが翌日の熱中症予防に繋がります。

ポイント4:丈夫な体をつくる

バランスの良い食事やしっかりとした睡眠をとり、丈夫な体をつくりましょう。日ごろから体調を整えておくことが、熱中症にかかりにくい体つくりに繋がります。バランスの良い食事やしっかりとした睡眠をとり、丈夫な体をつくりましょう。日ごろから体調を整えておくことが、熱中症にかかりにくい体つくりに繋がります。

熱中症予防は日ごろの暑さに負けない体作りが大切

海水浴場は、日常を忘れるほどの開放的な場所です。一方、皆さんは海水浴場という高温多湿な環境下に慣れているわけではありません。水辺に遊びに行く準備として熱中症を予防するための、日ごろからの暑さに負けない体作りが大切です。 気温が上がり始める初夏から、下記3点へ取り組みましょう。

  • 日常的に適度な運動をおこなう
  • 適切な食事
  • 十分な睡眠
  • 「熱中症警戒アラート」について

    気象庁と環境省は、熱中症の危険性が高くなる期間、国民の熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート」について、令和6年度から全国で運用を行なっています。

    気象庁
    >令和6年度「熱中症警戒アラート」の運用開始について(気象庁サイト)

    環境省熱中症予防情報サイト
    >熱中症特別警戒情報(熱中症特別警戒アラート)・熱中症警戒情報(熱中症警戒アラート)(環境省サイト)

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