JLA English Site

海やプールで溺れないプールで事故を起こさないために

プールで事故を起こさないために

楽しい時間を悲しみに変えないために・・・

今日は子どもたちが楽しみにしていたプール。ところが、遊泳中にひとりの子どもが行方不明に・・・ プールの底に沈んでいる子どもを発見し、プールライフガードに応援を求め救助をしましたが・・・・

プールは安全なのが当たり前

2016年の水難の場所別死亡・行方不明者の割合 資料提供:警察庁「平成28年における水難の概況」

警察庁の発表によると、2016年の年間の水死者数は816(31)人。この内プールでの水死者数は9(3)人と報告されており、比較的少ないと感じてしまいます(( )内の数字は中学生以下の発生数)。
しかし、本来プールは「ここで遊泳していいですよ」という考えのもとに人工的に造られた施設がほとんどで、利用者にとって安全であることは当たり前のようになっています。
だからこそ、そこで起きた事故は関係者に深い悲しみを与えてしまいます。

【利用者編】事故を防ぐためにできること!!

まずは≪自分のいのちは自分で守る≫ことができるようになることが理想です。プールでの事故防止のために、次の5項目を徹底しましょう。

(1)プールを十分理解したうえで利用する。

プールの種類や構造、コースごとの水深などを十分理解したうえで利用しましょう。身体に合わない水深は、思わぬ溺れにつながります。

(2)ルールを守って安全に利用する。

飛び込みや潜行などの禁止事項などは、重大事故につながります。

(3)体調が優れない場合には利用を控える

小さなお子様(学校の授業等含む)の場合は、保護者や監督者が事前に体調を確認するようにしましょう。

(4)自分自身で体調の管理を行う(セルフチェック)

健康診査の受診などだけでなく、血圧や体温、心拍数や呼吸の状態、その時の気分(めまい、立ちくらみ、息苦しさなど)を自分自身で確認しましょう。また、十分なウォーミングアップとクーリングダウンはけがや溺れの防止に有効です。

(5)小さな子どもからは目を離さない

浮き輪などの浮き具を持っていても、他の遊泳者との衝突等で手元から離れたり、浮き具から転落してしまい、溺れてしまう事故が発生しています。浮き具を持たせると、保護者の方も安心してしまい見守り(監視)の目を緩めがちです。子どもからは目を離さず、すぐに手を差し伸べられる距離を保つことが重要です。

【施設管理者編】事故を防ぐためにできること!!

30秒ルールをご存知ですか?

これは10秒間で利用者の異変に気付き、その後20秒で適切な救助行動を取るという、米国の民間ライフガーディング団体が提唱しているものです。日本ライフセービング協会では、これらを実践するための監視方法や救助法についての講習会を実施しています。ご興味のある方はぜひ、講習会にご参加ください。

プール監視について確認してほしいことKEEP WATCH

プールは子供達にとって水辺に触れられる大切な場であります。監視を行う方はまず以下の3点を十分注意してください。

  1. 安全意識の向上!
    プールでの事故が重大事故に繋がります。水の特性(浮力がある・抵抗がある・空気がない等)を理解し、事故を未然に防ぐこと(ルールの確認、監視・救助体制の確認等)に全力を注いでください。
  2. 監視の重要性(KEEP WATCH)!
    素早く異変に気付くように、死角がなくなるように協力して監視を行ってください。
    異変とは:身体がほぼ垂直の状態になっている。動かず同じ場所にとどまっている。顔が水中に没したままになっている。潜ったまま浮上してこない。浮き具の下でジタバタしている等。
    監視救助の30秒ルール:10秒間で利用者の異変に気付き、その後20秒で適切な救助行動を取る。
  3. 迅速な救助!
    万が一、事故が発生してしまったら、協力して素早くプールから引き揚げ、心肺蘇生を行うと共に119番通報して迅速に救急隊に引き継いでください。

プール内でも汗をかき熱中症は発生します。適度な休憩・飲水(監視にあたる人も)を心がけてください。

*日本ライフセービング協会では、より専門的なプール監視救助のためのプール・ライフガード講習会を行っています。

プール開放時の安全管理について(PDF:2.98M)

関連コンテンツ