JLA English Site

海の知識

vol.10 – アカエイ

2026.02.25 (Wed)

【アカエイ】

クラゲに次いで被害の報告が多い年もある海生物です。

2018年の夏は、全国各地でアカエイの被害が多く聞かれました。

JLAに登録される全国202カ所の海水浴場の統計によると、2010年から2017年にかけて海水浴場開設期間中のアカエイによる被害件数は275件/年平均となっています。

そこで、アカエイについてどんな生き物なのか知っておくと、島国日本でより水辺を楽しめるのではないかと思い、一部ですが紹介しておきます。

アカエイの尾の根元に、数cmから10cm程度の長い棘があります。この長い棘には毒腺があり、刺されると激痛に襲われます。その毒は「タンパク質毒」といわれ、直接傷の中の細胞を壊し、炎症を起こします。そのため刺された直後から激しい痛みに襲われ、10分くらいすると刺すような痛みに変わり、細胞が破壊され壊死を起こし始めます。

筆者の場合は対処が遅かったせいか、刺された箇所に10ヶ月以上もビー玉大のしこりが残り、触れるたびに痛むことから靴を履くのに苦労しました。

また、刺された時の感覚は、ザクっと入ってくるのではなく、ぐりぐりと棘をねじ込んでくるような感覚でした。大き目のカニのはさみに鋏まれた様な感覚に近かったのを覚えています。

アレルギー体質の人はアナフィラキシーショックにより死亡することもあります。棘にはのこぎり状(鋸歯状(きょしじょう)の「返し」もあり、一度刺さると抜けにくくなっています。(のこぎりのように、ギザギザしています。)そのため、無理に抜こうとすると傷口が広がり、さらにダメージが大きくなります。

アカエイに刺さると、時間が経つにつれ毒が回り、痺れたり麻痺したりします。痛みが強くなってくると一人で歩くのも困難になってくるほどです。

■アカエイに刺された時の応急処置

アカエイの毒は「タンパク質毒」で熱に弱いため、やけどしない程度のお湯に30分以上浸すと痛みが和らぎます。というより、何も無かったかのような無痛になります。ただし、浸す時間が短いと、お湯から上げた患部は直ぐに激痛を感じます。

この時、冷水で冷やすと痛みが倍増するので逆効果です。痛みが引いた後でも、腫れたり痒くなったりしますし、体内に針が残っている可能性もあるのですぐに医療機関で受診しましょう。

また医療機関に移動する際、車のクーラーなどで患部を冷やしてしまっても痛みが増すので、なるべく冷やさないように気を付けましょう。お湯に浸けることのできる環境に向かうまで、車のヒーター温風を患部にあてると少し楽になります。お湯がすぐに確保できない環境下で遊ぶ場合は、夏でもホカロンなど携行しておくと重宝します。

■アカエイはいつ頃活発になるのか

アカエイは海水の水温が上昇し始める5月頃から海岸に近づいて来て、貝類を食べるようになります。そのため、潮干狩りなどで浅瀬あたりを歩くときにはアカエイの危険性も意識しておきましょう。

アカエイは臆病で、基本的に人間の方から刺激しない限りは攻撃してくることはありません。アカエイが好む遠浅の砂場では、すり足をし、私たちの存在をアカエイに知らせましょう。そうすることで、アカエイにとっても私たちにとっても水辺を安全に楽しめます。

一方、アカエイの天敵はシュモクザメです。

サメの鼻先には「ロレンチー二器官」というセンサーがあり、砂地に鼻先を潜らせアカエイを捕食することで知られています。アカエイの毒はシュモクザメには効かないそうです。

■最後に

海には生き物がいます。そこは人間にとって、接触の仕方や対処を間違えると、怪我をする生物も一部ですが存在するのも事実です。

とかく日本人は水辺で遊ぶことが苦手な民族です。また、やみくもに禁止にしたり、触らないようにしたりすることが安全に繋がるとは断定できないのではないでしょうか。

日本は四方を海で囲まれています、諸外国同様、水辺で楽しく遊ぶすべを知っていく事が、最大限の安全管理に繋がるよう願います。

海から学ぶことは多いです。

海は子供たちにとっても遊びの宝庫です。

皆さまからのご支援が
水辺の事故ゼロへつながります

皆さまからのご寄付はWater Safety教育の普及事業などに活用します