【春時雨】
立春が過ぎ、最近はようやく雨が多くなってきました。
一方、この時節の雨は、降ったり止んだりすることも珍しくありません。
日本語には多くの季節や自然現象を表す言葉がありますが、「春時雨」という言葉をご存知でしょうか?
漢字の並びから、春に降る雨に関する現象では?と想像してしまいますよね。今回は春先に降る雨に関する「春時雨」について紹介していきます。
「春時雨」は「はるしぐれ」と読みます。
春の時節に、晴れていたのに一時的に雨が降ったり止んだりするような通り雨のことを表現します。
「時雨(しぐれ)」とは、秋の終わりから冬の初めにかけて、急に降ってすぐに止むような通り雨のことをいいます。
つまり「春時雨」は、春に降る時雨(急に降ってすぐに止む通り雨のこと)という意味になるのです。
一方、桜が咲くころの時雨は「花時雨(はなしぐれ)」といいますので、「春時雨」とは、立春(毎年2月4日ごろ)から桜が咲く前までということになります。
方や、この時期から多くなる、雷を伴う春の雨は「春雷(しゅんらい)」と表現します。
「春雷」は、冬眠していた地中の虫たちが雷の音で目覚めるということから、春の到来を告げる雷ともいわれ「虫出しの雷(むしだしのかみなり)」とも呼ばれています。
今年は何年来の寒波到来といわれ、寒さの厳しい耐え忍ぶ冬となりましたが、これからの時期は気温も少しずつ上がり過ごしやすくなります。沖合では小さいトビウオが跳ねたり、シコイワシの群れなども見れる時節になってきます。海に入る際もマリンブーツを脱げるようになります。
沖でしか体感することのできない「春」という季節の変化と、日本語の表現の美しさを感じながら、夏に向けて準備していきましょう。