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海の知識

vol.8 – ギンカクラゲ

2024.12.06 (Fri)

【ギンカクラゲ】

風向きや海岸の方位によって変わりますが、風が強く吹く日には、カツオノエボシやカツオノカンムリ、ブルードラゴン(アオミノウミウシ)などの漂流生物が流れ着きやすいです。
ポルピタ・ポルピタ(Porpita porpita)とは、この「ギンカクラゲ」の世界共通に使われる学名です。ぜひ子供達に聞かれたら『ポルピタ・ポルピタ!』と伝えてみてください。

カツオノエボシやカツオノカンムリなどと同様に、風に吹かれて水面を漂いながら生活している生き物です(これらの水面で生活する生き物のことを「ニューストン」と言います)。
白い円盤から青い触手のようなものが出ている不思議な形をしています。
大学生のライフセーバーにギンカクラゲをビーチパトロール中に確保してきてください。牛乳瓶の蓋のような形をしているから。あ!牛乳瓶の蓋なんか知らないよね?と聞いたら…
知ってます!プラスチックのやつですよね!って。。。
ジェネレーションギャップ…

例えが悪かったと反省。次回からなんて表現すれば良いか自身の宿題です。
ギンカクラゲの毒もタンパク質毒です。青い触手部分に皮膚の弱い部分が触れると、カツオノエボシやアカクラゲ程ではないものの、微量に痛みを感じます。
ただし、アナフィラキシーショック症状を引き起こす可能性もあるため、刺された際は、すぐに陸上に戻り、先にご紹介したカツオノエボシと同様の対処を実行してください。
ギンカクラゲの近くにブルードラゴン(アオミノウミウシ)がいる可能性があります。
ブルードラゴンはカツオノエボシやカツオノカンムリ、ギンカクラゲを好んで食べ、体内に毒を多く溜め込んでいますので、刺されると一説にはカツオノエボシより、激しい痛みを伴うと言われています。
決して直接触れることのないよう気を付けてくださいね。

【ギンカクラゲ】
和名: ギンカクラゲ
学名: Porpita porpita
英名: Blue Button(青いボタン)
分類: ヒドロ虫綱 花クラゲ目 ギンカクラゲ科
その名の通り、海に浮いた「銀貨」に見えることからこの和名が付けられました。

ベニクラゲなどと同じ花クラゲ目に属しています。
そして、実はこの写真のような状態は、いわゆる「クラゲ」の状態ではなく、それぞれ専門の役割を持った「個虫の群体≒ポリプの集合体」なのです。
そのため、「餌を捕まえる」役割である「感触体」や「食べて消化する」役割をする「栄養個虫」等に分かれています。
このクラゲの形から、ギンカクラゲは「花クラゲ目」に分類されています。
カツオノエボシは「管クラゲ目」ですので、体の構造や生活の仕方が似ていても、分類上はかなり違う生物なんです。
例えるなら人とウサギくらいの違いがあるようです。

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