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私とライフセービング

Vol.91 – 櫻井 美乃 / Yoshino SAKURAI

2026.06.19 (Fri)

私とライフセービング

ライフセービングとの出会い

私は1歳から高校3年生まで水泳を続けてきました。小学校2年生の頃から「24時間水泳選手でありなさい」という先生の教えのもと水泳中心の生活を送ってきました。高校3年生の夏に引退する際には、最後までやり切った!と思える形で水泳人生に一区切りをつけることができました。その後、日本大学スポーツ科学部に進学しましたが、1期生だったこともあり、必ずスポーツをやらなければいけないと進学してから知りました。1度やり切った水泳にもう一度向き合う気持ちになれず、どうしたらいいか悩んでいました。そんな時に声をかけてくださったのが、スポーツ科学部准教授の原怜来先生です。それまでの私は、夏休みに遊ぶという経験がほとんどなく、海水浴場に行ったこともなければ、海で1度も泳いだことすらありませんでした。そんな私に先生は、「美乃なら絶対にライフセービングを好きになるよ」と、その魅力をたくさん教えてくださいました。水泳一筋だった私にとって、海は未知の世界でした。それでも、もう一度水に関わるなら新しい形で挑戦してみたいと思いZIPANGに入部することになりました。

ゴールの先にあるもの

ライフセービングを始めた頃、私はそのスポーツとしての魅力に強く惹かれていました。プールは原先生と二人三脚で、海ではZIPANGや九十九里のメンバーとトレーニングに励んできました。当初の目標はシンプルで、全日本のファイナリストラッシュが欲しい。メダルが欲しい。その一心で練習を重ねていました。出場してきたレースの中でも、ずっと一緒に練習をしてきた可愛い後輩と挑んだインカレのレースは、今でも忘れることができません。個人種目ではなく、レスキュー種目2種目でメダルを獲得した瞬間は、これまでの努力が報われたと感じると同時に、仲間とトレーニングを積み重ねてきてよかったと実感したレースでした。こうした経験を重ねる中で少しずつ考えが変わっていきました。「ゴールの先に救う命がある」という言葉の重みを理解するようになりました。タイムを競うだけではない。“その先に誰かの命を守る力につながる競技である”ということを意識するようになりました。

新たな役割との出会いと挑戦

九十九里ライフセービングクラブは8つのエリアに分かれていますが、私は鋸南エリアに配属になりました。そこで出会ったのが私のライフセービングの世界を大きく広げてくださった江川陽介さんです。大学2年生の夏前にアドバンスの資格を取得。簡単ではありませんでしたが、その過程でもっとできるようになりたい、人よりも努力しなければいけないという気持ちが強くなっていきました。そして大学2年生の夏終わりには鋸南エリアのキャプテンを務めることになりました。責任の重さを感じる一方で、自分自身の成長も感じる時期でもありました。そんな中、江川さんから「指導者の資格を取ってみないか」と声をかけていただきました。自分に務まるのかという不安もありましたが、新たな挑戦としての一歩を踏み出す事に決めました。こうして大学3年生から指導者としてライフセービングに関わる事になりました。私を育ててくださった指導者の皆様と一緒に毎年講習会をしています。

ライフセービングと今の自分

現在、私は救急隊員として現場に立っています。日々、さまざまな現場で人の命と向き合う中で、ライフセービングで培ってきた経験が確実に活きていると感じています。周囲の状況を把握する力や、先を予測する力、チームで助けるという意識はライフセービングを通して身につけてきたものです。また、「事故を未然に防ぐ」という考え方も私の中では大きな軸となっています。救急の現場は起きてしまった後に対応をすることが多いですが、ライフセービングは“起きる前に防ぐ”ことができる活動です。その両方を経験し、現場に立つ今だからこそ、命に向き合う責任と守れる可能性の両方を強く感じています。ベーシックから関わってきた教え子たちが、アドバンスや指導者の資格にも挑戦してくれたり、自分の背中を追って同じ職場を選んでくれたりすることを嬉しく思っています。今後も指導者として私にできること、私にしかできない関わり方を大切にしながら「事故を未然に防ぐ」というライフセービングの本質・ライフセービングスピリットを伝え続けていきたいと思います。そして、いざという時にはその命を次へ繋ぐ存在であり続けたいです。

最後に

これまで支えてくださったすべての方々への感謝を胸に、これからも私らしく、笑顔で、時に厳しく、ライフセービングに向き合い続けていきます。
そして、自身の経験を活かしながら、次の世代の大事な一歩を支え、その一歩が誰かの命を守る力へと繋がっていくことを信じて。

櫻井 美乃
Yoshino SAKURAI

日本大学サーフライフセービングクラブZIPANG卒業
九十九里ライフセービングクラブ所属
JLAアカデミー本部 サーフライフセービング委員会 委員

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